両生類 絶滅の危機から

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絶滅の危機にある両生類を守る「箱舟」計画を紹介しました。
 長野市松代の皆神山山頂にある小さな池はクロサンショウウオの生息地です。
 クロサンショウウオは、カエルやイモリなどと同じ 両生類です。
 今、両生類は危機に瀕しています。生息地の減少、水質汚染、ペットブームによる乱獲。そして未知の感染症「ツボカビ症」。「ツボカビ症」は、両生類の皮膚だけに寄生するカビの一種「カエルツボカビ」によって引き起こされます。水を通して感染し、発症すると皮膚呼吸ができなくなり、90%以上が死に到ります。
 長野市茶臼山動物園の飼育員、高田孝慈さんは「両生類の箱舟」と呼ばれる保護活動に取り組んでいます。「両生類の箱舟」は、環境的に生息が難しくなった両生類を動物園や水族館が一時的に保護する世界的な取り組みです。
 旧約聖書にあるノアの箱舟伝説では、生き物たちを箱舟に乗せて大洪水から守りました。それになぞらえたもので、動物園の小さな水槽が皆神山のクロサンショウウオの箱舟なのです。両生類に必要なのは、きれいな水と豊かな森です。この環境を破壊してきたのは、人間です。
 水槽の「箱舟」に乗ったクロサンショウウオは人間が作り出してきた脅威が、人間の力で取り除かれる日が来るのを待っています。

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