abn 長野朝日放送

今から約150年前の東鶴賀に、四方を塀に囲まれた1万坪の鶴賀新地（長野遊郭、現在の東鶴賀町のあたり）がつくられ、そこへ向かう田んぼの中の一本道として整備されたのが西鶴賀通りです。その後、通りは栄え、沿道は飲食店や洒落た店で埋まりました。これが西鶴賀町の始まりです。ノスタルジックな気持ちになる街並み。最近は若者が写真を撮りにくることも多いんだとか。
エリアリノベーションの拠点になっている“９軒長屋”は、その名の通り、９軒連なった長屋で当時は鍵屋さんや寿司店、スナックなどが営業していた場所。この建物を活かしつつリノベーションをして新しいお店ができていました。

現役大学生が営む古着屋さん「グローブアマランス」。若者が来る場所になって欲しいと“９軒長屋”で最初に始まったお店です。吹き抜けにしたり、捨てるはずだったTシャツを壁一面に張ってオシャレにしたりと、こだわりが見て取れる店内。決して立地がいいとは言えないこの場所で始めた理由にも、こだわりがありました。「昔の雰囲気が残るこの町で、あまり時代に左右されることのない古着屋さんを始めることに意味があると思った。」そんなこだわりの古着屋で今のトレンドを聞いてきました。

“西鶴賀エリアリノベーション”の拠点になっているのが、「C9」。普段は設計事務所とweb制作会社のシェアオフィスとして利用されていますが、リノベーションの相談会や座談会がこの場所で開かれ、街の方々やここで事業を始めたい人達との交流の場にもなっています。２階には、西鶴賀町のこれまでを振り返る写真記念館も。街の歴史を紡ぎ、新たな発展を生み出す場所になっていました。

最後に、日によって姿が変わるお店も。土日の夜は、今年6月にオープンした「シードル＆カンパニー」。シードルと地元食材を使った料理が楽しめるお店です。店主は「自分で作ったシードルを飲めるお店を作りたい」とこの場所で始めました。土日営業のみにはある理由があります。この店舗は、シェアキッチンとして平日は場所貸しをしています。西鶴賀町で集まったり楽しんだり、飲食店のおためし営業であったり、何か始めようとする人の最初の一歩になるような場所になっています。取材した日はスリランカカレーのランチが営業していました。ここも人が集まる仕組みを仕掛けています。

また、街の中のレトロな名物店にも足を延ばしました。1954年創業の「エビスパン」といえば、「野菜サラダパン」が有名。上室アナウンサーは、自家製のプリンが丸ごと入った「プリンパン」をいただきました。聞けば、お客さんの要望で復活したパンなんだそう。さらに、1978年創業の「珈香」では、常連さんおすすめ「復活のクリームソーダ」。出てきたのは、赤いドリンク！？インスタ映えする見た目には店長のこだわりがつまっていました。