「おかげ様」(楠原)
きのうの報道ステーションで徳永キャスターの対談が非常に心に刺さりました。
インタビューの相手はハーバード大学教授のマイケル・サンデル教授(68)です。
テーマは「社会の不平等とどう向き合うか」
対談の中でサンデル氏はこんなことをおっしゃっています。
「一見私たちは努力して、その努力が私たちに成功をもたらしてくれたのだと考えますが
それは違います。
運を忘れ 恵まれていることを忘れ
成功を支えてくれた人々に
頼ったことすらも忘れているのです」
コロナ禍でより顕在化した格差拡大。
闘うのは新型コロナという共通の敵なのに、
裕福な人と貧しい人…コロナ危機が与える影響の大きさはどんどん開いていくばかりです。
一方で、学んだこともあります。
当たり前の生活が当たり前ではないこと。
仕事があること、家族と会えること、食事に行けること、保育所に子どもを預けられること
十分な医療を受けられること…
自分一人で自立しているような気になっていたけれど、
どれだけたくさんの人に支えられているか、ようやく気付くチャンスとなりました。
サンデル氏はインタビューの中で「謙虚さ」という言葉を何度も口にしています。
「人生においての『運の役割』を忘れず、それにともなう
『謙虚さ』を忘れないことです
・・・(中略)
そうすれば数十年続いた分断や不平等を癒やすだろう」
この対談を聞いた時、祖母がよく口にしているある言葉が頭に浮かびました。
「おかげ様で」
日本らしい控え目でつつましやかな表現。
この言葉に象徴されるように、親から子へ子から孫へ
昔から自然と備わってきたはずの「謙虚さ」
おかげ様で…この言葉を最後に耳にしたのは、そして自分が口にしたのはいつだろうか。
今の時代だからこそ、口癖にしたい素敵な言葉だなと感じました。