「3つの海域で巡る 広島発見旅」篇
今回は春の1時間スペシャル。信州を飛び出し、広島県が旅の舞台です。海とともに発展してきた歴史を持つ広島ですが、地域によって海とのつながりに「特色」があります。「福山市」「呉市」「尾道市」周辺の3つの海域を巡り、その「歴史」と「知られざる魅力」に迫ります。
鞆の浦に沈む歴史ロマン
広島県福山市にある「鞆の浦」は海上輸送の要所として栄えた港町で、江戸時代に建てられた町家などが一体となって残ります。その鞆の浦にある「いろは丸展示館」は1867年に鞆の浦沖で沈んだ坂本龍馬と海援隊の船「いろは丸」の足跡をたどることができる施設です。館内には船体調査の際に引き揚げられた物品やジオラマなどが展示されています。「いろは丸」は紀州藩の船と衝突して沈没しましたが、最終的に紀州藩が土佐藩に莫大な賠償金を支払うことで決着しました。坂本龍馬と海援隊の名は、この一件で世に知れ渡ったとも言われています。
老舗で味わう 鞆の浦の鯛料理
瀬戸内海はその地形と潮の流れにより、真鯛の産卵や生育に適していて、昔から鯛の漁が盛んです。中でも鞆の浦では江戸時代初期に生まれた「鯛しばり網漁法」という伝統漁が今も初夏の風物詩として残っています。その鞆の浦で鯛料理が味わえる「鯛めし千とせ」。あら炊きや天ぷら、鯛めしなどが楽しめる「選べる鯛定食」をいただきました。この店では、昔からお祝いの席で食べられてきたという「鯛そうめん」を味わうこともできます。
大福専門店の“映えスイーツ”
次にやってきたのは「汐ノ音鞆の浦大福」。瀬戸内の食材をふんだんに使った大福の専門店です。「塩豆大福」や「海大福」などオリジナリティあふれる商品が人気ですが、思わず写真を撮りたくなる「映えスイーツ」があります。それが「鞆ソーダフロート」。“夕焼け”と“海”の2種類を注文しました。色合いが美しく、逆さにのせられたソフトクリームが印象的で“映え”確実。鞆の浦をバックに記念の写真を撮影しました。
「てつのくじら館」で体感 海の安全を守る仕事
呉市にある「てつのくじら館」は、実際に使われていた巨大な潜水艦をミュージアムにした史料館です。潜水艦の内部見学や乗組員の生活の一部を体験できるほか、海上自衛隊の活動を様々な資料を通して知ることができます。軍港として発展した呉の歴史や「掃海」について学んだあとは、かつて活躍した潜水艦「あきしお」の中へ。潜水艦の中では、潜望鏡をのぞいたり、操縦かんを握る体験ができます。乗組員の生活を疑似体験しながら、海上自衛隊の歴史や役割について学びました。
呉の文化を彩る 海自発祥グルメ
「てつのくじら館」のすぐ近くにある「呉ハイカラ食堂」。昭和レトロを再現したハイカラな雰囲気と潜水艦の中をイメージした店内でいただくことができるのは「海自カレー」です。呉市の飲食店では本物の艦艇などで提供されるカレーを提供していて、「海自カレー」を名乗るには艦長の認定を受ける必要があります。この店では潜水艦「そうりゅう」の補給員から直接、作り方を教わったそうで「そうりゅう」の艦長認定の一品を味わうことができます。また、カレー以外にも艦艇にちなんだ人気メニューを提供しています。
人を招く 尾道なディープな魅力
古くから瀬戸内の重要な交通路だった「尾道水道」により栄えた尾道市。その景観から映画のロケ地に選ばれるなど、「映画のまち」としても有名です。そんな尾道にあるのが「猫の細道」。天寧寺三重塔の横道から続く細い路地で、空き家を再生したお店や美術館などが点在。中でも全国の猫好きが集まるのが「招き猫美術館」です。約3000体が飾られていて、「九谷焼の招き猫」や「輸出するために作られた招き猫」など、珍しい品に出会うことができます。
尾道の魅力を凝縮したグルメとは!?
尾道市の「お好み焼きすみチャン」。この店で提供しているお好み焼きは「尾道焼き」と呼ばれています。鉄板に生地をひいたら、山盛りのキャベツにネギをのせます。豚肉の代わりにかまぼこを使用。触感が楽しめるようにレンコンも入っています。さらに「尾道焼き」に欠かせない食材が「砂肝」と「イカ天」です。焼きあがったら一口サイズに切りながら食べるのが本場の食べ方だそう。リポーターの2人は尾道ならではのご当地グルメに舌鼓を打ちました。
信州をカーナビ UぐるっTV
2024年5月25日 土曜 午後3時30分