須坂市動物園が開園60周年を迎えました。かつての閉園危機を独自の取り組みで乗り越え、市民のほか県内外の人たちからも親しまれています。今回、須坂市動物園のスゴヂカラを探ります。
須坂市動物園は動物と入園者の距離が近いのが特徴です。随時、飼育員によるイベントを開き、SNSで情報を発信しています。ツイッターのフォロワー数は須坂市の人口より多い約6万人です。また、毎年、入園者による投票で“代表動物”を決め、さらに、クラウドファンディングを通し、絶滅危惧種のイヌワシの獣舎増設を企画中です。そして、今年の秋には、2頭のアカカンガルーが生まれました。
アカカンガルーといえば全国的に知られた人気者がいました。ハッチです。人間のような仕草と人懐っこさで一躍有名に。ハッチは園の救世主と呼ばれています。開園当初の年間入園者数は約10万人でしたが、2003年には約6万人に減り閉園の危機に。しかし、ハッチが全国的に有名になったことで入園者が急増。閉園を免れました。実は飼育員が“ハッチの個性を生かした実況”を始めたのが話題を呼び、多くのメディアが取り上げたことで全国に知れ渡ったのでした。
ここでは動物の餌やりをイベントとして公開しています。飼育員は動物の生態やその個体の特性を親身に説明します。動物との距離だけでなく入園者と飼育員との距離感も身近です。また、各種イベントの中で不定期に開催する“鳴き声クイズ”が人気です。