
後継者不足などで閉店してしまう食堂がある一方、持ちこたえてその味を守りつづけている店もある。今回、存続の危機を乗り越え老舗の味を受け継いだ店を深掘りする。
上田市の「べんがる」は1964(昭和39)年両澤洋介さんが創業したカレー専門店で長きに渡り常連客に愛される名店のひとつ。2代目の斎藤繁夫さんが2019年2月に厨房で倒れ、半年の間閉店。後継者に名乗り出た常連客もいたが、初代シェフの甥の藤澤和幸さんが3代目を引き継ぐことで、名店の味は復活した。
松本市の「CAFFE BAR空(くう)」のメニューにラーメンがある。オーナーの百瀬昌伸さんは「らーめん札幌」創業者の孫。らーめん札幌は1965(昭和40)年に繩手通りで創業した名店で松本中央劇場の隣りにあった。中劇の閉館とともに近所に移転し2015年閉店。その3年後、名店の味が曜日限定で復活した。

「べんがる」には受け継がれた名物メニューがある。チキンクリーマーカリーは店一番の辛さ。これしか頼まない常連客もいる。またカレーソースを使ったべんがるハンバーグもならでは。「CAFFE BAR空」で曜日限定ラーメンを頼む常連客の中で創業時からある「てんぷら」をトッピングが人気だとか。