abn 長野朝日放送

私の祖父は、浜松で結構名の知れた天ぷら割烹を営んでいました。宴会場が従兄弟達との遊び場。海老天、美味しかったなあ。時が流れ、残念ながら店は、畳みました。

胃袋を満たした慣れ親しんだ味が、我儘を聞いてくれた店が、終わってしまう。立ちはだかるのは跡継ぎです。

今回は、閉店の憂き目にあった飲食店が復活劇を果たした２つの物語。上田と松本、カレーとラーメンです。サラリーマンの私には到底わからないだろう後継者問題。飲食業に関わらず、自営業の方々の思いは切実です。

ご紹介する２店舗ともに祖父が一代で築いた店が閉店。しかし紆余曲折を経て、孫が見事に再開を果たしました。血脈！血が繋がる人間がやらないで誰がやる、という覚悟。私にとっては無条件にリスペクト。常に先代の味と比較される恐怖と対峙する。それは責任の証でもあります。

店が、味が蘇ると、常連さん達が駆け付けた。味は同じでなくていい、進化していい。復活した店には彼らの声援が実に温かい。

天ぷら割烹、どうなったかって？我が物顔で大きなマンションが。もう一度祖父の天ぷらを食べたい。叶わぬ夢だけど。