abn 長野朝日放送

富士の湯は1936年創業。昭和のたたずまいを残す昔ながらの銭湯です。営業時間は午後3時から午後8時。数十年来の近隣に住む常連客に支えられてきた銭湯です。阿部憲瑞(のりみつ)さん(24)は都内の大学を経て会社員として働いていましたが、家業の銭湯を4代目として継ぐ決意をしました。そこには祖母(2代目女将)と暮らした幼少時代の影響が色濃く残っているそうです。先代が残したものを受け継ぎながら、自分らしさを見つける毎日です。

取材にお邪魔する2か月前、4代目の号令のもと、銭湯の改修工事がありました。プロに任せる部分は業者に。残りのスタッフはSNSで呼びかけると16人のボランティアが駆け付け、無償で協力しました。富士の湯は敷地内から出る湧水を使っています。松本市は水の街。近くに「源智の井戸」など、名水が湧き出ています。4代目は、この水と古き良き銭湯を残すことに強い決意があります。彼に賛同する若者たちも多く、富士の湯に集ってきます。