コメ派!(楠原)
私が最後の晩餐にしたいもの。
それは、祖母の握った梅干しお結び。
ということは、祖母には、私よりも長生きしてもらわないといけないのだけど。
ふっくらとしたお米に、ちょうどいい塩加減。
炊飯器もお米も変わったものではないのに、
なぜだかおいしい。そう思っているのは、私だけでなく、
父も、弟も。必ず、一人3つは、締めのお結びを食べます。どんなに手をかけた料理も、〝ばあば〟のお結びにはかないません。
幼いころからコメのうまさを知って育ったので、
パン派か、コメ派かと言われれば、コメと即答。
だから、コメどころ信州で暮らせることは、幸せなことです。
私が、大好きなブランド米が、「小滝米」。
県の最北端、栄村にある小滝集落で作っているお米です。
2011年、県北部地震発生時に取材に行ったのをきっかけに、
もう10年のお付き合いになります。
わずか13軒が暮らす小さな小さな集落には、デパートや、マンションはありませんが、
豊かな自然と、うまいコメがあります。
高齢化、過疎化…たしかに大きな問題だけど、
ここには、どこにも負けない生きヂカラと、人情があります。
新米に添えられていたのは、ずっとかわいがってくださっている農家さんからのお手紙。
「楠原さんには、ずっと小滝を見ていてほしいんだ。どん底を知っているからね。」
ありがたい、実りの秋です。いただきます。