一番苦手で一番好き
4月を迎え、abnにも新しい仲間が増えました。
初々しいその姿は、私を初心に返らせてくれます。
気付けば9年目。日々せわしなく過ごしていると、
仕事への感謝を忘れてしまいがちですが、
毎日生放送の現場に立たせていただけていることが
当たり前ではないこと、厳しいお言葉も、嬉しいお言葉も、
かけがえのない糧となっていることを改めて実感します。
アナウンサーの仕事と言っても、色々あって、
取材・原稿作り、ロケ、中継、原稿読み・・・
その中でも、一番苦手にして一番好きなのがナレーション読みです。
これは先週の駅前テレビのナレーション録りの様子です。
出来上がったVTRを見ながら進めていきます。
三四六さん、時には、森本レオさんを挟みながら、終始笑わせてくれました。
ちなみに、abnステーションのナレーションは、先にVTRが出来上がっていることが
ほぼないので、想像しながら、紙の上の文字をよむわけです。
どんなBGMがつくんだろう・・・とある程度予想しながら、
テンポや声色を調整しますが、
「あれ?思っていたのと違った・・・」ということも、たま~にあります。
声だけで表現するというのは、シンプルながら、奥が深く、難しい。
だからこそ面白いんですが。
以前、小宮悦子さんのナレーションを見学させていただいたことが
あるのですが、声が目に見えるんじゃないかってくらい、重厚感と存在感のある声にしびれました。
声を出す時って、肩が揺れたり、首が前に出たり・・・何かしら体に動きが出るものですが、
小宮さんは、土にしっかり根をはる幹のように、微動だにしないんです。
きっと天才なんだ!天性の声なんだ!と思ったら、
「元々声が高くてね・・・低くするのに苦労したわ」と教えてくださいました。
深く包容力のある魔法の声は努力の賜物。
もう9年目、いいえ、まだまだ9年目。
奥が深いぞ!