未来に挑戦する新進気鋭の信州人アーティストがいる。若菜みさ(敬称略)。塩尻市出身の22歳。アクリル絵の具と油絵の具を使う画家。今回、彼女の素顔に迫る。
東京で一人暮らし。洗面台の前が作業場。作品のほとんどが抽象画。オークションでは数百万円の値が付いたこともある。‶描く寝る食べる〟が優先順位で徹夜続きもいとわない。‶居場所を探す〟ことをテーマに描いた‶宇宙旅行〟は、無限、自由だが、先は真っ暗で孤独だという。孤独や疎外感といった感情を作品にぶつける。彼女は等身大の若者の悩みを描こうとしている。多感な時期を過ごし、17歳で高校を中退。夢実現のため上京した。
幼い頃から絵を描くことが好き。独学でここまで来た。最近は、企業からのオファーも増えた。ミュージシャンのグッズデザインやCDジャケットを手掛けることもある。大手レコード会社のプロデューサーは、‶感情が線にのっている〟と太鼓判を押す。
初めて開いた個展では、画廊オーナーに、‶自己プロデュース能力に長けている〟と言わしめた。そんな彼女の土台になった場所が塩尻市にある。10年ぶりに恩師を訪ねた。