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放送内容

地名を歩く・善光寺平の水編

長野市には水や川に由来する地名が多くあります。たとえば「島」。川中島、丹波島、青木島、大豆島、真島、屋島……。「島」とは河川によって運ばれた砂礫が長い時間をかけてたまり、小高くなった土地。地理の世界では「自然堤防」と呼ばれます。他にも、沼や田、口など水や川に関係する地名が多く見られます。
そこで、地元の地理や歴史に詳しい長野大学の市川正夫特任教授(地理・信濃史学)を案内人に、長野市とその周辺の善光寺平で、特徴的な場所を巡ります。
地名を歩く・善光寺平の水編
山岡秀喜アナウンサー・長野大学 市川正夫特任教授|地名を歩く・善光寺平の水編
地名を歩く・善光寺平の水編
地名を歩く・善光寺平の水編
長野市の長沼地区は、2019年10月の台風災害で千曲川の堤防が決壊し、大きな被害を受けました。過去にもたびたび水害に遭っています。しかし、ここはかつて長沼城があり、北国街道の宿場町として栄えてきました。水害以上に、川がもたらした恩恵があったのです。他ではあまり見ない形の道標もあります。
千曲川を挟んで対岸の小布施・須坂にも、水や川と共に生きてきた場所があり、人々の生活の知恵を見ることができます。ちょっとした高低差や段差、直角に曲がった狭い道、下の部分が板塀の門など、歴史遺産ともいうべきものが、それぞれの町に残っています。
千曲川沿いをさかのぼって、千曲市の宿場町・土口。ここは町並みが印象的です。車で走るだけで「オヤッ」と思います。その理由は、千曲川とその支流に近く、傾斜地が生んだ地形にあります。ある住宅では、水に対する先人の備えが今も残っています。
身近な場所を、地名をきっかけにたどると、面白い発見がいろいろあります。