長野市の中心市街地は、人口の減少や郊外店の増加で、少し元気がありません。空き家や空き地が増えています。一方で、空き家を改装して若い世代が店や工房を構える動きも盛んです。善光寺門前は古い面影・風情と、新しい感覚が混在した魅力があります。
一帯を歩くと、門前町らしい町並みを作っている要素に、のれんが関わっていることに気づきます。伝統を誇る老舗だけでなく、新しくできた店が、のれんを店の看板として取り入れているのです。おしゃれな感じがします。フレンチレストランや発酵食品を扱う飲食店などで、のれんの魅力を探ります。
善光寺の近くで、のれんを作っている染物店があります。すべてが手作業で、丁寧に一枚一枚仕上げています。「全然興味がなかった」という3代目が仕事を継ぎ、伝統を守ろうとしています。のれんだけでなく、手ぬぐいも若い世代に人気が出ているようです。あるゲストハウスでは毎年デザインを変えてオリジナルの手ぬぐいを作り、販売しています。
そして、「町なかのオアシス」とも言える緑の空間が、のれんの先にあります。町なかの空き地を駐車場にするのではなく、森や畑にする民間の試みです。町並みが変わるのか、また、住民や観光客の交流の場になるのか、注目です。
