
信州でも有数のそば処・伊那。地元では「信州そば発祥の地」とうたっています。辛味大根のしぼり汁と焼きみそで食べる「高遠そば」は福島・会津にも伝わっています。
かつて、その土地でのみ作られた「在来種」のそばが各地にありました。
しかし、収量を多くするために品種改良された一般的なそばが普及し、在来種はほとんど姿を消しました。
伊那にも、山間地で栽培されていた「入野(いりの)谷(や)在来」がありました。小粒で味が濃く、香りが豊かな個性的なそばです。絶滅したと思われたこのそばは、地元の熱意ある人々が探した結果、2014年にわずかに種が残っていることがわかりました。
その中から300粒を畑にまいたところ、発芽したのは17粒、実を付けたのはたった6粒でした。
発見されてから5年。幻のそばを復活させようというプロジェクトは着実に進み、今年11月にようやく一般にも提供できるまでになりました。

多くの人が関わり、長年にわたって復活を夢見た「入野谷在来」。途絶えた歴史をよみがえらせた物語を描きます。また、そば好きな草田アナウンサーが一足早く入野谷在来のそばを味わいます。