abn 長野朝日放送

中嶋さんは元警察官で、現役時代は「山のお巡りさん」とも呼ばれていました。
県警の山岳遭難救助隊員として登山者の安全を守る仕事に携わり、県警ヘリ「やまびこ」導入時には航空隊に所属してレスキューを担当していました。1996年から98年にかけては第9代の救助隊長も務めました。

中嶋さんは警察官時代から自分の山行記録としてイラスト地図を書き残していました。これまでに登って描いた信州の山の数は約350。2004年からＨＰを開設して公開したところ、次第に登山者の間で評判となり出版に至りました。趣味の範ちゅうを超えて正確かつ実用的、そして遊び心と情報満載の分かりやすいイラスト地図は、県内各地のパンフレットや案内図にも採用されています。

地図作りに同行すると、中嶋さんは何度も立ち止り、ルートのカーブを一つひとつ忠実にメモ帳に残していました。仕上がった地図はイラストの通りにカーブを曲がっていけば山頂に着くと言います。

アトリエでもある自宅も訪問しました。鮮やかな色を再現する絵筆を握りながら中嶋さんは自分の「山の原点」を語ります。それは運命的ともいえる出会いでした。