
お盆は、先祖をあの世からこの世に迎え、共に過ごす期間。全国各地で行われる風習ですが、信州においても、場所が変われば、かたちも様々です。今回はその違いを探ります。
迎え火と送り火にカンバ(白樺の樹皮)を焚きますが、これは長野市など北信地域で多く見られます。その際、歌をうたう、または念仏を唱える家があります。その文言も様々。信州の多様性を実感します。
須坂市では、木製の灯籠をお墓に立てる風習を受け継ぐ家を訪問。迎え盆の様子を拝見します。木灯籠を立てる理由は「ウチの墓はここですよと先祖に知らせるため」だとか。
箕輪町では、代々受け継ぐ「盆棚」を拝見。供物の下に敷く「盆ござ」は住人たちの手製です。先祖が這い上がりやすくするため、盆ござの丈は長いほど良いといいます。さらに、ミソハギという植物で盆だなに水をかけます。その理由を聞いて驚きます。「先祖は土の中から出て喉が渇くから水をあげる」のだそうです。

茅野市では、枝豆をすりつぶして餅にかけて食べる「のたもち」と、「灯籠車」を引いて墓参りをする風習に迫ります。