
塩丸いかはその消費量の9割が長野県という信州特有の食材です。海なし県にもかかわらずなぜそれほどまで食べられているのか、今回探ってみることにします。
塩丸いかはミネラル成分豊富なタンパク源としてだけでなく、日持ちする保存食として、信州では昔から重宝されてきました。現在も、県内のスーパーなどで必ずと言っていいほど売られています。酢とキュウリで和えたサラダや天ぷらなど、調理方法は様々。とりわけ体調管理に気を使う梅雨時からお盆までの間、小売店での売れ行きが伸びます。塩抜きをしますが、やはり塩分も摂取できるので熱中症対策にもなります。
県内の大手スーパーで売れ行きを、卸売業者では仕入れ先を調査します。仕入れ先として浮かび上がった福井県の加工所を直撃取材。塩丸いかが作られていく様を目の当たりにします。福井県では販売されていないことと、そもそも新鮮な海の幸が手に入り易いことから、福井県民は塩丸いかを食べたことがないそうです。彼らに試食をしてもらうと意外に好反応です。さらに信州の一般家庭の塩丸いか事情や、民俗学者らの意見も伺います。
