
諏訪市は全国有数の温泉地です。そこかしこに温泉が湧いています。温泉共同浴場数は72か所(2019年4月現在/諏訪市水道局調べ)。温泉が身近なだけに、地元住民だけの温泉もあります。今回、普段見ることの少ない温泉や温泉地の暮らしに迫ります。
諏訪市湯小路(ゆこうじ)にある平湯(ひらゆ)は、地元組合員専用の共同浴場です。ここで言う組合とは、温泉を使う権利のある地元住民の集まりです。古くからその温泉を守っています。平湯の建物は大正10(1921)年に造られました。以来、組合費で修理、管理しています。有名な映画のロケ地にもなりました。その隣りには、上湯(かみゆ)という地元区民のための温泉があります。ここも区民の提供する費用で運営され、利用者は温泉に入りながら情報交換をしています。
上湯の2軒隣りに大和(やまと)温泉という一般客が利用できる温泉があります。平湯、上湯、大和温泉と連なって温泉共同浴場があるのも、湯量豊富な諏訪市ならでは。その隣りの田宿(たじゅく)地区にも区民専用の温泉があります。この地区のほとんどのお宅に温泉が引かれていて、部屋の暖房にも温泉を使っています。

そもそも諏訪市は、組合員でなくても配湯可能な地域であれば、有料で温泉を引くことができるとのこと。そこで、一般家庭の温泉事情も垣間見ます。