長野市吉田の日本料理店「ゆ庵」。
店主の湯本忠仁さんは有名旅館や料亭の料理長を経て、現在は長野県調理師会会長、日本調理師会副会長を務める日本料理界の重鎮です。素材を知ることも料理の基本で「農家の皆さんの仕事の延長上に自分の仕事もある」と語ります。その日に仕入れた素材を見てメニューを決めるそうで、楠原アナウンサーのために作ったのは、ダイコンおろしたっぷりで体も温まる椀物、酢と塩でしめた信州サーモンのお造り、牛肉・マイタケ・リンゴを使った煮物の三品。料理人歴は半世紀以上、様々な経験を経て「素朴で、あわてない料理」という境地に達したという湯本さんの「技」を味わいます。
長野市青木島町の「懐食あおき」は、ファミリーで気軽に和食を楽しめる店。
店主青木健一郎さんのおすすめは「二八」「十割」「更科」の3種類の手打ちそばがセットになった「ざる三昧」というメニューです。中でも「更科」は透き通った麺の中に「星」のような粒が浮き上がる美しいそば。極上の真っ白いそば粉に殻付きのそば粉を混ぜるという独特のテクニックで打ち上げられます。お父さんの元でそば打ちの修業を重ね「いつか父を超えるそば職人になりたい」という思いから生まれた自慢のそばを堪能します。
「大阪寿司」を看板に掲げるのは、長野市平柴の「すゞ蔵」という和食の店。
大阪寿司は「ばってら」などの押し寿司が代表的なメニューですが、この他にも「手まり寿司」や「手ごね寿司」といった江戸前とは雰囲気の違った、見た目も鮮やかな寿司を楽しめます。押し寿司でありながらシャリがふっくらと仕上がる職人の技と、日本の伝統の味を残していきたいと語る店主鈴木将友さんの思いを取材しました。