
県内には地元に愛される大衆食堂がたくさんあります。安くてうまい、肩ひじ張らない、常連客でいつも賑わっている…。そんな食堂の、愛される理由を探ります。
長野市の「秋山食堂」は昭和58(1983)年創業。店内のいたるところに手書きのメニューが貼ってあります。店の名は店主の出身地、栄村の秋山郷からとりました。地元はもちろん、県外からもここの味を求めてくるお客が後を絶ちません。
昭和39(1964)年創業の長野市の「川端」は、昼時ともなると、約100席がすぐに埋まるほどの繁盛店です。厨房は戦場さながら。それでもテキパキとこなします。川端は食堂のほか旅館でもあります。
須坂市の「とら食堂」は昭和60(1985)年創業のお腹が空いた人には願ってもない食堂。ご飯、味噌汁、キャベツが食べ放題です。大衆食堂のほとんどが抱える後継者問題ですが、とら食堂は店主一代限りで店を畳むそうです。
長男は長野市のカフェレストラン店で料理人として働いています。「俺が大切にしていることを息子がやってくれれば、どこで何をしても俺の後継ぎ」と店主は言います。