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放送内容

『漱石のルーツ”夏目村“を探す』

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文豪・夏目漱石のルーツが長野県にあると聞いて驚く人は多いはず。長野漱石会にしてみれば、それは定説だという。そもそも長野漱石会なるものがあること自体あまり知られていない。今回は夏目漱石と信州のつながりを草田敏彦が探る。
善光寺境内に夏目漱石句碑があるのをご存じだろうか。立看板には、漱石は晩年に善光寺を参詣した後、県会議事堂で講演をした旨が記されているのだが、最後に気になる文言がある。夏目家の出自は「信濃の国 夏目邑」とあるからだ。
長野市篠ノ井に石川という集落がある。この集落にある湯ノ入神社から見下ろす土地は「夏目平」という。そして湯ノ入神社はかつての「夏目城」だという。漱石の門下生で漱石研究の第一人者、小宮豊隆著「夏目漱石」(岩波書店)には「夏目左近将監国平(なつめさこんしょうかんくにひら:平安時代後期から鎌倉時代初期に信州で活躍した武将)が、漱石の祖先」とある。実は、漱石の著書「坊ちゃん」の文中に「多田(ただ)の満仲(まんじゅう)の後裔だ」というのが出てくる。
満仲の弟はその夏目左近将監国平から8代遡った多田満快(まんかい)だ。ふたりとも清和源氏で多田満仲は源満仲(みなもとのみつなか)で満快は源満快にあたる。それを教えてくれるのは、長野漱石会代表の永井貞寿さん。長野漱石会は2011年に発足し漱石研究を続けている。漱石の句碑を建てたのも彼の尽力による。さらに、漱石の義理の孫、作家の半藤一利さんは、「多田の満仲の後裔だと書いたのは漱石は自らの出自を知っていた」と言う。
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また、長野市内にある「夏目」という会社は漱石と関係があるのかないのか。そして、石川地区在住の栁澤孝博さんは言う。「自宅の畑が、夏目城主の館跡ではないか」と。

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取材先情報

  • 善光寺
  • 長野ホテル犀北館
  • 長野漱石会
  • 新井大正堂
  • 半藤一利 / 末利子夫妻
  • 株式会社夏目
  • 湯ノ入神社 / ほか