- 美味しい食事は仕事の活力 -
ここ数年、社員食堂のレシピが本になったり、首都圏では社員食堂ツアーを企画する旅行代理店があったり…などなど、食の話題に「社員食堂」の文字が踊ることも珍しくありません。
「社員食堂」とは本来、従業員の福利厚生のためにあるもの。単なる「会社の中にある食堂」と思われがちなのですが、そこには、企業ごとに様々な特徴があったり、毎日頑張って働く方々に対する“作り手からの想い”が込められていたり…。だとすれば、毎日の昼休みは働く人にとっても“単なる休憩時間”とは違う“特別な時間”になり得るはず。「社員食堂」はもしかすると、企業そのものの在り方がギュッと凝縮された空間なのかもしれません。
そこで今回は、平沢アナウンサーが信州企業の「社員食堂」を訪ねることに。お邪魔するのは、長野市に本社を構える乾物大手『みすずコーポレーション』と、上田市の精密機器メーカー『シナノケンシ』。どちらも国内のみならず、海外にもネットワークを広げるグローバル企業ですが、「社員食堂」に限って言えば、そこで働く方々にしか知り得ない、味わうことが出来ない“ベールに包まれた世界”です。
『みすずコーポレーション』の本社工場で働く従業員は600名以上。「味付けいなりあげ」の全国シェアが1位であるほか、「凍り豆腐」や「油あげ」といった大豆製品を作っている会社ですが、工場見学ののちに食堂を訪ねると、うどんに大きな「油あげ」をのせた方や、ラーメンや定食と一緒に「いなり寿司」を召上がっている方が大勢いらっしゃる。会社的には「働いてくれる人たちには温かいものを…」という想いがあるようですが、やはりみなさん、自分たちの作る商品こそが自慢の逸品なんです。
一方、本社工場だけで850名の従業員を抱える『シナノケンシ』。ココには、味も値段も文句なし、社員を魅了し続け50年というスゴイ食堂があるんです。まずは人事部に勤める若い女性を訪問。じつはこの方、会社紹介のブログに「自慢の社員食堂」なる記事を寄稿した人物で、そこには「240種類以上のメニュー」「ごはん1杯30円~」「味噌汁1杯20円」「丼ぶり200円」「なにより、朝昼晩と営業しているから独身社員の強い味方」…などなど、いますぐにでも入社したくなるような食堂自慢が綴られているのです。それが本当なら是非ともお邪魔してみたい。社内見学の中で昼休みを心待ちにする技術者集団と出会い、一緒に昼休みを迎えると…そこには、およそハイテク機器を設計・開発している会社とは思えないアナログな光景が…。