
実は信州にも「銀座」があるんです。
昭和30~40年代の高度成長期に全国に「銀座」の名をつけた商店街や通りが多数誕生しました。その数300余。しかし「○○銀座」はどれも通称で正式に住所として「銀座」が付く場所は、全国に10数か所とその数がぐっと少なくなります。そんな「銀座」という住所、長野県には飯田市と岡谷市にあります。
訪ねた岡谷市銀座は東京オリンピックで賑わう1964年(昭和39年)に誕生。半世紀が過ぎて街はすっかり変わりましたが、「銀座」らしい面影と古い歴史が混在しています。
今年、岡谷市銀座1丁目に巨大なショッピングストア「レイクウォーク岡谷」が誕生。まずはその周辺から歩いてみます。銀座2丁目で目を引くのは、まるで時代劇に登場する屋敷の様な高天酒造。地元の銘酒を造り続けて140年。創業以来100%自家醸造を頑なに守ります。ご主人は「老舗の数では東京の銀座に負けてない」と堂々と自慢。
銀座1丁目にある高橋醸造は創業100年の老舗。岡谷で唯一の醤油醸造元です。人気の新商品「たまごかけ醤油」は日本の食文化を守りたい。という主人の熱い思いから生まれました。ご飯が大好き平沢アナはもちろん「たまごかけ醤油」を試食し大満足!
代々、髙橋醸造の醤油を使って佃煮をつくる塚原川魚店。主人は「この醤油が無ければ自慢の味を出せない」と絶賛です。
東銀座1丁目に印章店と音楽教室が同居している不思議な建物があります。印章店を営む両親が青春時代を戦争で失った悔しさから、娘たちの為に音楽教室をつくったのです。以来40数年。両親の思いは娘から孫へと継がれ、地元の音楽文化の拠点になりました。
「銀座」の名をちょっと誇らしげに、ちょっと照れながら語る「岡谷銀座」の住人たち。そんな街の歴史と人々の思いを感じながら信州の銀座をぶらり。