
飯綱町で、隠れ家のように、ひっそりと営業するパン屋「きなり」。店主の松澤秀二さんは、天然酵母を使ってほぼ毎日パンを焼いています。松澤さんは、以前はこのパン屋の常連客でしたが、ここの味に惚れ込み、この店を手伝うようになったをきっかけに、現在、一人ですべてを賄っています。パンの味は繊細で大胆。遠路はるばるやってくるお客さんも絶えません。
「きなり」のルーツは天然酵母パンの先駆け的存在、上田市の「ルヴァン」。ルヴァンの社長でパン職人の甲田幹夫さんは以前、小学校の先生でした。ある1人のフランス人との出会いが甲田さんの人生を変えました。天然酵母パンのカリスマとまで呼ばれる甲田さんのパンの味をぜひ味わってみたいと、全国からお客が訪れ、築150年を数える古民家を改装した店内ではガラス越しにパンを焼く様子を見ることができます。
天然酵母パンで人気を博す開拓者の姿を通して信州生まれの個性的なパンのスゴさを探ります。