今できることを考えよう(楠原)
番組のお知らせです。
12日(土)正午~、
特別番組「池上彰と学ぶSDGs 開講!未来につなぐ 夏休み特別授業」を放送します。
池上さんが授業を行ったのは、飯田市の飯田西中学校。
生徒たちは以前からSDGsを積極的に学んでいて、いわば、SDGs上級者!
私が見学させていただいたのは、SDGsすごろくづくりの授業です。
SDGs17項目それぞれに関する内容でマスを埋めていきます。
例えば【落ちているごみを拾った 2マス進む】といった感じ。
逆にSDGsに反する内容も作ります。
【お湯を沸かしたのに忘れて沸かしなおしたので3マス戻る】
あぁ。身に覚えあり…私がよくやってしまう失敗です。頭が痛いなぁ。
この日から、お湯の沸かし直しに敏感になっています。
飯田西中学校の生徒たちは、すらすらとこのマスを埋めていきます。
日ごろからSDGsを自分事として捉えている証拠ですね。
では少し、難しいお題を。
「⑤ジェンダー平等を実現しよう」
これに当てはまる身近なSDGsの行動は何でしょうか?
どうですか?すぐ思いつきましたか?
飯田西中の生徒の解答はこうです。
【男子なのに、かわいいものが好きなの?と聞いたので3マス戻る】
ジェンダーというと、とても大きな問題のような気がして、
頭でっかちな私には、すぐに意識が及びませんでした。
「男なのに 女なのに」こうした考えは以前に比べたら少なくなったのかもしれませんが、
まだまだ社会の中に潜んでいるジェンダー差別です。
そういえば、私は「女子アナ」というカテゴリーで職業を紹介されることがあります。
呼ばれている本人も特に気にも留めず「女子アナ」という括りに安住しているような
ところもありましたが、今になってとても違和感を覚えます。
だって、「女子アナ」とは言うのに、「男子アナ」とはあんまり言われませんよね。
また、35歳を過ぎると、なぜだか「女子アナ」とも言われなくなってくる。
年齢制限でもあるのか…世の中の「女子アナ」の言葉の裏にある、
性的な概念は、単なる、女性・男性という生物学的なものを超えた意図があるようにも思えます。
こうした違和感をいつしか見なかったことにして、やりすごしている私のような大人に対し、
飯田西中の生徒たちは、とても繊細に、正直に見つめていました。
これはとても尊いことだと思います。
男性と女性の格差を表すジェンダーギャップ指数。
日本は世界146か国のうち125位。先進国の中では最下位。
とても悲しい結果ですね。
長野県は県内企業の女性の管理職の割合を増やしてきましょうという目標を掲げています。
2021年度は13.5%
これを2027年度には30%にしようというのです。
ちなみにabnの女性管理職はわずか2人。
子育てをしながら働いている私にとって、女性管理職がいてくれることは
とても心強いですし、やはり、何か困りごとがあったときは、相談しやすいので、
ついつい頼ってしまいます。ですから、女性管理職が増えることは、とても喜ばしいことだと思います。
でも、一方で、目標の数字を達成するためにただやみくもに、
女性管理職を増やすというのもいささか疑問を感じます。
女性だろうが、男性だろうが、関係なく、能力や努力に伴って、平等に評価される世の中。
それが本物のジェンダーレスではないでしょうか。
そんなことを、つい先ほど、私の信頼する女性管理職と話したところでした。
SDGsは、みなさんそれぞれに関わる身近な問題です。
ぜひご家族と、ご友人と、同僚と、お話をしてみてください。
この特別番組がそんなきっかけになれば、幸いです。