「がん専門医」ががんになった―――。
治療は?仕事は?受け持ちの患者は?
多くのがん患者が経験する悩みや壁に、医師もまたぶつかっています。
総合病院の化学療法専門医として、リーダー的立場で最新の治療にあたってきた男性医師。コロナ禍で空きが出た健診センターでPET検査を受けたところ、初期の甲状腺がんが見つかりました。コロナ禍でも自身が受け持つがん患者の治療は通常通り動いています。がん摘出手術のため、1週間だけ休んで復帰する計画をたて、入院しましたが・・・。
思い通りにいかない治療と自分の体。「がんと向き合う」ことがどういうことなのか。初めての経験を通じ、改めてがん患者たちの思いを知ることになりました。
19年前に、職場の人間ドックで腎臓がんが見つかった男性医師。早期発見で右腎臓を摘出し、職場に復帰しました。ところが4年後、今度は鼻腔内に悪性リンパ腫が見つかりました。希少がんに分類される珍しいがんで、東京の専門病院で治療を受けましたが、抗がん剤や放射線治療の副作用がひどく、極端に痩せてしまったと言います。
医師の専門分野はがんの化学療法。専門的な知識を豊富に持ち合わせていても、がんと向き合う時には一人の患者です。自身の経験から何を思い、その後の診療にどう生かしているのでしょうか。
番組では、がんを経験した2人の医師の対談を収録。
医師としての立場と患者としての思いをどのようにつないでいるのか、
がんを経験し今後の生き方をどう捉えているのかなど、心の内をお聞きします。
2021年9月23日 木・祝 午後2時40分~3時35分 放送
出演:大槻瞳(abnアナウンサー)
信州のがん最前線Vol.20「患者になった医者」
2021年9月23日(木)放送
■コンテンツ内の情報や取材対象者の肩書は、放送当時のものです
■権利上の問題等で、放送した番組とは一部内容が異なります
9/21(火)朝日新聞 長野県版に掲載
abn信州がんプロジェクトが制作する特別番組「信州のがん最前線」は、2012年2月の初回から年2回ずつの放送を重ね、今回でシリーズ20回目となります。新型コロナの影響で医療が逼迫し、県内の病院も対応に追われる中、待ったなしで進むがん治療の現場を見つめました。
松本市の総合病院で、がんの化学療法チームを統括してきた男性医師。県内では薬物治療の分野を牽引する立場でもあったこの医師が今年1月、「何となく受けた」というPET検診で甲状腺がんと診断されました。摘出手術を経て、すぐにでも診療現場に復帰するつもりでしたが、治療経過はそれほど甘くありませんでした。
また、5年生存率も10%と言われた希少がんを含め、2種類のがんを経験した男性医師にも話を聞きました。
「医者もがんになる」という当たり前の現実を正面からとらえ、これからのがんとの付き合い方を考えます。
番組放送にあわせて、がんを経験した2人の医師の特別対談を、Youtubeのabn公式チャンネルで配信します。
(番組制作担当・中村あゆみ)