旅人:ラッシャー板前、清水アキラ
信州には海がない。しかし山々から無数の川が流れ出で、大地を潤し豊かな水の恵みをもたらしている。川の恵みとともに暮らす、熱い信州人を追う。
上田市の中山泉さん(71)は千曲川で100年以上続く川漁師の3代目。江戸時代から続く伝統的な“やな漁(つけば漁)”の川漁師として、漁期にはつけば小屋に泊まり込む暮らしをしている。
泰阜村の半崎保道さん(79)は半世紀以上にわたり天竜川のほとりで和舟を作り続けている。一時は引退も考えたが、船大工の継ぎ手はなく舟つくりを再開した。今春から作り始めた船が間もなく完成し、進水式を迎えようとしている。
□千曲川の簗漁師!中山泉さん(71)上田市

「やな漁(つけば漁)」は千曲川水系を中心に江戸時代から続く伝統的川漁。ウグイの習性を利用し、産卵場所を模してしつらえた仕掛けでウグイをおびき寄せる。中山泉さん(71)は千曲川で100年以上続く川漁師の3代目。漁期にはつけば小屋に泊まり込み、初夏に「ウグイ」、盛夏は「鮎」や「スッポン」、秋には「ウナギ」を獲る。千曲川とともに生きる川漁師と家族の暮らしを追う。
□天竜川の船大工!半崎保道さん(79)泰阜村

泰阜村の半崎保道さん(79)は半世紀以上にわたり天竜川のほとりで和舟を作り続けている。10人兄弟の4男で、5人の男兄弟は全員川に係る仕事に就いた。保道さんは中学卒業後、家計を支えるため船大工の見習いに入った。1967年には「天竜ライン遊船」を立ち上げ、現在は息子が社長を継いでいる。3年前脳梗塞を患い一時は引退も考えたが、船大工の継ぎ手はなく、船頭らに頼まれるまま舟つくりを再開した。今春から作り始めた船が間もなく完成し、進水式を迎えようとしている。
□乗鞍の岩魚職漁師!福島立實さん(66)松本市
乗鞍岳の麓に、最後の職漁師がいる。職漁師とは、源流で岩魚を釣って生計を立てる川漁師をいう。亡き父・立吉さんもまた職漁師だった。岩魚を釣っては里の旅館に売り、13人の子供を育て上げた猛者だ。父から息子へと受け継がれた釣技、自然と共存する知恵や掟を守りながら、渓流に糧を求めて暮らす立實さん。職漁師親子の絆に迫る。
「おぉ!信州人」は、毎月1回放送します。