実りの秋、食欲の秋到来!リンゴにブドウ、モモにナシにサクランボ…、信州は全国でもトップクラスの生産量を誇るフルーツ王国です。生産者たちは日々汗を流し、愛情を込めて育て、収穫の時を迎えます。信州生まれのフルーツにかけた信州人の物語をお届けします。
★一本の木から全国に広がった 川中島白桃
お盆あけ、長野市川中島のJA直売所には長い行列が出来ます。人々の目当ては赤く色づいた川中島白桃。長野市川中島地区が発祥のこの桃は、いまや北は青森から南は九州でも栽培され、全国3位の生産量を誇る人気の桃です。その原木は、いまも犀川のほとりにある池田悟さんの農園にあります。1960年、義父の池田正元さん(故)が様々な交配を試しているうちに、偶然とびきり美味しい桃が実をつけました。当初『池田1号』と呼ばれたこの桃に、『川中島白桃』の名前が付いたのは、それから17年も後のこと。正元さんは川中島地区の生産農家におしみなく苗木を分け与え、地域みんなで大切にこの品種を育て、全国へと広めていきました。
★ナガノパープル物語
都内の高級フルーツ店でひと房数千円の高値で売られる「ナガノパープル」。小池捷一(しょういち)さん(76)と妻の光枝さんは、須坂市生まれのこの品種を先駆的に手掛け、栽培に情熱を注いできました。当初は困難を極め、失敗の連続、借金はかさんでいったと言います。それでも「絶対に売れる」と確信、試行錯誤を重ねながら、周りの農家に試食してもらい仲間を増やしてきました。奥さん曰く「貯金は全然なし、夫はブドウに貯金している」。今年9月、JA須高は東京の品評会に初めて「ナガノパープル」を出品します。小池さんらが情熱をかけて育んできた品種、さてその評価は?
★信州生まれのニューフェイス「シナノゴールド」「ワッサー」
秋映、シナノスイートと合わせて「りんご三兄弟」と呼ばれる信州生まれの品種「シナノゴールド」は、去年からイタリアの南チロル地方でも栽培が始まりました。また「山根白桃」と「ネクタリン」を掛け合わせた須坂市生まれの「ワッサー」。その名前の由来は、開発者の中村渡(わたる)さんの小学校時代のニックネーム!?
「おぉ!信州人」は、毎月1回放送します。