アマチュア相撲で昨年の全日本選手権と全国学生選手権個人を制した上松町出身の大道久司さん(22)。この春、東洋大学を卒業、地方公務員の内定を辞退して角界入りを決意、大相撲 “出羽海部屋”への入門を決めた。四股名は“御嶽(みたけ)海(うみ)”。学生横綱のタイトル獲得から緊張の入門初日・初稽古、そして春場所デビューまで、角界期待の新人・大道さんの門出の春に密着する。
華麗なる“つっぱり道”
力強い「突き押し」が魅力の大道。その原点は小学校1年の時のある取組にあった。木曽郡少年相撲大桑大会決勝で敗れ“負ける悔しさ”を知った大道少年は、「もっと強くなりたい」と願い地元相撲クラブの門を叩いた。その時、父・春男さんと交わした約束は「毎日400回の四股を踏む」。地元の福島中学、木曽青峰高校で相撲を続け、小学生の頃からコツコツ練習を続けた成果が大学で花開いた。故郷・木曽で恩師らを取材、茶目っ気たっぷりの怪童の素顔を紹介する。