吉田一平ブログ

大きな虫(吉田)

虫が苦手だ。子どもの頃はそうでもなかったのに、なんとなく気持ち悪い。見るのはまだしも、触るなんてもってのほか。人間の方がよっぽど大きいのに、である。

そんな人間よりも遥かに大きな虫の彫刻をステンレスで生み出すのが、安曇野在住の中嶋大道さん(76)。真っ白なひげをたっぷりとたくわえたその顔は、まるでスタジオジブリの宮崎駿監督。
彼の彫刻の数々は、虫嫌いになった大人でも大好きだ。もの凄い迫力でありながら、どこか愛嬌がある。大道さんの、少年のようなチャーミングな人柄が彫り刻まれているのだと思う。

「乗ってみませんか」

ひげの間から白い歯を見せ、屈託のない笑顔で大道さんが言った。ナン百万、ナン千万円もの価値がつくアート作品に「乗ってみませんか」と、面白がって言うのである。
高さ5mほどもある〝アリ〟によじ登る姿はへっぴり腰だったに違いないが、気が付けば僕は夢中になって〝虫〟に触っていた。

いつ以来だろう。童心に帰ったかのようにワクワクした。
なるほど、大道さんの原動力はきっとこういう気持ちで、それを分かち合いたかったのかしら。

 

「いいね!信州スゴヂカラ」5月1日放送【巨大ステンレス彫刻家!中嶋大道】は、公式YouTubeでもご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=9YJjTcfsYSg

 

PS.〝クワガタ〟にも