abn 信州がんプロジェクト ~知ろう、考えよう、がんのこと~

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Q&A 教えて!がんのこと

がん検診のメリットとデメリットを教えてください。

社会医療法人財団 慈泉会 相澤健康センター 診療部
統括医長 髙木 健治さん

2017.10.01 掲載

がん検診のメリットとデメリットについて説明したいと思います。
メリットは、がんの早期発見、早期治療です。検診は自覚症状がない時点で施行されますので、がんが進行していない状態で発見することができます。がんが不治の病と言われたのは昔のことで、現在では早期発見、早期治療でがんはその多くが治ります。
一方、症状を感じて受診した場合には、がんが進行している可能性もあり、臓器によっては治すことができない場合が多くなります。

デメリットは偽陰性、偽陽性、過剰診断となります。偽陰性とはがんを見逃してしまう事です。がんが見つけにくい場所や形をしている場合には発見できないことがあり、検査の精度は100%ではありません。ただし、初回の検診でがんと診断できなかった場合でも、毎回検診を受け続けることにより、がんを発見できる確率は高まり、がんによる死亡を回避する可能性も高くなります。このため、がん検診は単発の受診ではなく、適切な間隔で受け続けることが必要です。

偽陽性とは検診でがんの疑いと判定されて精密検査を行っても、がんが発見されないことを指します。多くの人が<がんではなかった>という結果を受け取りますが、その間、受診者の方に心理的負担がかかります。早期発見、早期治療のためにはある程度やむを得ないことかも知れません。

過剰診断とは生命を脅かさないがんを発見することです。早期治療を考えると、このようながんにも通常のがんと同じような検査や治療が行われるケースがあります。

以上、メリットとデメリットについて見てきましたが、がん検診を受けることはとても大切で適切な間隔で受けて行くことが重要です。