県内ニュース

中野市4人殺害事件 被告の男に死刑判決

2023年、中野市で警察官を含む4人が殺害された事件の裁判員裁判は、被告の男に死刑判決が言い渡されました。黙秘を続ける被告に…裁判員は難しい判断を迫られました。

■記者リポート
「ただいま判決が言い渡されました。青木正憲被告には死刑が言い渡されました」

おととし5月、中野市江部で散歩中の女性2人と、駆け付けた警察官2人が、ナイフや猟銃で殺害された事件では、中野市の農業・青木政憲被告(34)が殺人などの罪に問われていました。

9月4日から始まった裁判員裁判では、青木被告が黙秘する中、責任能力と量刑について争われ、検察側が死刑を求刑したのに対し、弁護側は心神耗弱による減刑で無期懲役が相当と主張していました。

長野地裁の坂田正史裁判長は事件当時の被告の責任能力について「善悪を判断し、行動をコントロールする能力があり完全責任能力があった」と認定。その上で、結果の重大性、また残虐性から「被告の刑事責任はあまりに重大。死刑の選択を回避すべき事情は見いだせなかった」として青木被告に死刑を言い渡しました。

法廷で裁判長が死刑という言葉を口にしたとき、青木被告は足を小刻みに震わせ、落ち着かない様子でしたが、14日の裁判でも言葉を発することはありませんでした。