abn 信州がんプロジェクト ~知ろう、考えよう、がんのこと~

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Q&A 教えて!がんのこと

がんと診断されました。高齢の両親に心配をかけたくないのですが、伝えたほうがよいでしょうか?

長野赤十字病院 がん診療連携課 がん相談支援係看護師長
認定がん専門相談員 坂口 定子 さん

2018.07.01 掲載

【親には話さない方がいいのかな】

がんを告知されたとき、親御さんに話すべきか話さない方がよいのか迷うかもしれません。高齢で遠方に住んでいたり、特別な事情で疎遠になっていたりしない限り、できるだけお伝えしたほうがよいと思います。もしその時伝えずに後で知ったときは、教えてもらえなかったことをとても悲しまれると思います。後で伝える場合は、「診断された時は、自分自身が混乱していて伝えられなかった」などと正直な気持ちを話すことで思いが伝わると思います。
また、親御さんは、自分の子どもががんになったことを受け入れるのに、少し時間がかかるかもしれません。しかし、親御さんが受け入れてくれさえすれば、強い味方になってくれるはずです。

【どうやって伝えよう】

親御さんのショックを和らげるためには、伝えるタイミングも大切です。体調や性格を考慮し伝え方を工夫していきましょう。先の見通しが立ってから伝える場合、その都度伝える場合など親御さんによって異なると思います。また,身近な親族などから伝えてもらう方法もあります。
【同居している、あるいは近所に住む自分の親に話すとき】
直接顔を見て話すことがよいと思います。話しにくいときは、前もってメールや電話で、「話したいことがある。会って詳しく話すね」など一言知らせておくと、聞く側も心の準備ができると思います。
いずれにしても、自分自身が病気を理解し、ある程度先の見通しができたところで伝えることで、親御さんの不安を軽減できると思います。

【パートナーの親に話すとき】

パートナーから話してもらうことが無難かもしれません。

【高齢の親に話すとき】

親御さんご自身が病気であったり体力の衰えなどがあり、話すことに不安を感じる場合、どうしても話せない場合など、話さないという選択もあります。高齢の方は、がん=不治の病と言うイメージを強く持っている事が多く、想像以上にショックを受けるケースがあります。もし伝えたならば、定期的に状況は報告しましょう。親御さんは、病状や体調に変化がなくても話してもらえると安心しますよ。

【親には話せない場合について】

「親に迷惑をかける」「心配させたくない」「悲しませてしまう」など様々な理由で伝えられないこともあると思います。どうしても話せなければ隠してもかまわないと思います。ただ、お互い迷惑をかけながら生きているのが人間であり、親子ではないでしょうか。あなたが思っているほど親御さんは、弱い人間ではないと思います。今後、親孝行のタイミングは沢山あると思います。親の介護などするときにもそのときの感謝の気持ちを忘れずにいて欲しいと思います。