秘境の村が守り、受け継いできた暮らし
南アルプスの山麓の谷あい人口わずか1067人の小さな村・大鹿村。
この村に伝わる地芝居「大鹿歌舞伎」は300年以上もの間、連綿と受け継がれ、いまも毎年、春と秋の2回、すべて村民の手により定期公演が行われています。
秘境の村の日常は、どの人にとっても都会から離れた自然の中に流れる時間です。
人々は急峻な斜面に僅かな平地を切り開き、厳しい環境の中に隠れた歓びを紡ぎながら暮らしています。それは、一人ひとりの胸に歌舞伎という大きな“拠り所”があってこそ。
なぜ村人は故郷を愛し、暮らし続けるのか。
秘境の地で自然と人が織りなす四季の物語を美しい映像とともに綴ります。
ネイチャー
大鹿村は、日本最大の断層「中央構造線」が作った谷の中にあり、多様な命を育んでいます。
標高差2400mの「ふしぎの谷」の四季をカメラはみつめました。
ヒューマン
村にとって子どもは皆の宝物。村の子どもとして大事に育てられます。中学校では、40年前歌舞伎クラブが発足、保存会の面々が中学生を指導しています。大人と子供が一緒に村を楽しみ、村を守り、伝統を継承しています。
歌舞伎の舞台は、村の人たちにとって、ここで暮らす自分を確かめ、絆を深め、村の存在を示す「ハレ舞台」。
人と人との結びつきが、時代を超えて大鹿歌舞伎の伝統と心意気をつないでいきます。
歌舞伎は 村人の “ヨリドコロ”