abn 長野朝日放送

古くから商人の町として民芸品などものづくりが盛んなイメージがある松本市。 職人が集まるこの町で２人の作家の方にお会いしました。

１人目は、京都から移住した大曽根俊輔さん。文化財修復の経験で培った技術を生かし、動物をモチーフにした彫刻をつくっています。 表情や佇まい、すべてがリアリティに溢れ、細部まで行き届いたこだわりが作品を一目見ただけで感じ取ることができます。動物園などで自ら取材を重ね作品を生み出す姿はまさに職人そのものでした。

２人目は、空間芸術を作り出す千田泰広さん。ガラスで作られたアートに光を放った瞬間、そこには神秘的な世界が広がります。柔らかく優しい、そしてどこか儚げな光を見ていると、時空が止まったような不思議な感覚を覚えました。「アートを生み出そうと思ったことはなく、したいと思ったことを形にしたらアートになった。」という千田さんのお言葉はとても印象的でした。

普段から美術館へ足繁く訪れますが、アートがもたらす幸福感というのは何物にも代えがたいものがあります。アート、というとなかなか敬遠する方も多いですが、まちなかで触れることで存在自体が身近になる日がくれば、と心から願っています。