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アナウンサーコラム

長野市鬼無里の山奥パン店|大槻瞳

長野市鬼無里の山奥パン店|大槻瞳

長野市鬼無里の山奥に素敵なご夫婦が営むパン店があります。その名は「ソノマノ」。〝素のままの〟を縮め、素材の味を大切に、背伸びしないパン作りや生き方がしたいという想いで名付けたのだそう。

店の戸を開けると、鬼無里で採れた桑の実から起こした酵母パンや焼き菓子が並び、焼きたての香りが食欲を掻き立てます。パンをちぎれば、ライ麦の香りが広がり、素材の良さを実感します。噛みしめるごとに増す素朴で優しい甘みがたまりません。材料はできるだけ地産地消に拘り、ライ麦やクッキーに使うホオヅキも鬼無里で採れたもの。
そうそう、これは余談ですが、ホオヅキの畑で「このボタンコショウ、甘いから食べてみて!」と奥様に言われ、豪快にかじったら、それがもう悲しいくなるくらい辛い。(笑)悶絶する私を見て、奥様が大笑い。騙したお詫びに、と坊ちゃんカボチャをくださいました。
驚いたものの「なんて気さくで楽しい方!」と、ほっこりした気持ちに。

美味しいパンは勿論ですが、「ソノマノ」の最大の魅力は鬼無里を愛し、鬼無里に生きるご夫婦。名前の通り、そのままの背伸びしない二人の姿はとても輝いて見えました。