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120年に一度のスズタケ開花 伝統工芸に影響も

「一生に一度見られるかどうか」というスズタケの花が県内各地で咲いています。
ただ、この珍しい現象は、地域に受け継がれてきた伝統工芸に影響を与えるかもしれません。

紫色の穂に垂れ下がる淡い黄色のおしべ。
18日、abnの取材班が伊那市で撮影したササの一種、「スズタケ」の花です。
花が咲くのは120年に一度とも言われるとても貴重な現象です。
県内では先月以降、松本や上伊那、諏訪地域などで開花が確認されています。
みんなのスクープにも17日に下諏訪町の諏訪大社・春宮で撮影された写真が投稿されました。

この珍しい現象を、複雑な思いで見つめる人も。
伊那市でそば店を営む笠井秀一さんです。
30年ほど前から竹細工に取り組み、店で出すそばのざるをスズタケを使って手作りしています。

■行者そば梅庵・笠井秀一さん
「スズタケを鉈で割って、裏を引いて薄くして、この状態に持っていって編み始める」

細くて丈夫なスズタケは、県の伝統的工芸品にも指定されている竹細工に欠かせない材料です。

(Q花を実際に見たことは?)

■行者そば梅庵・笠井秀一さん

「今年このつぼみがついたのが、これが初めてです。もうこれ1回きりですよね」

スズタケは花を咲かせた後徐々に枯れていくそうです。
落ちた種は芽吹きますが、竹細工に使える長さまで育つには、10年以上かかるといいます。
およそ30年前に店を開く際、地元の竹細工名人にざるを作ってもらったのをきっかけに、竹細工作りを始めた笠井さん。
これまで通り作っていけるのか、不安を感じています。


■行者そば梅庵・笠井秀一さん
「どうしようもないよね、自然のことだから。一応まだ枯れてないところは何カ所か見つけてはあるので、来年はなんとかなるけど、来年以降のことは分からない」

古い民俗資料などから上伊那や松本周辺では、およそ240年前と120年前にも一斉に開花したという記録が残っていて、今年が120年に一度の年にあたる可能性もあるということです。
県林業総合センターで山の環境について研究している小山泰弘さんは開花の周期の解明につなげようと、一般から開花情報や写真の提供を募っています。