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がん治療とお金…高額医療費制度の「世帯合算」とは

9月は「がん制圧月間」です。
今週1週間は「みんなで考えるがんウィーク」と題し、がんに関する様々な話題をお届けしています。19日はがん治療に掛かる「お金」についてです。

患者や家族にのしかかる治療費の負担。自己負担額に上限を設ける「高額療養費制度」と「世帯合算」という仕組みをご存じでしょうか。

■白血病を経験・有賀さん(42)
「私、本当に家に帰れるのかな、この先どうなっちゃうのかなという感じ」

松本市に住む有賀さん(42)。介護士として働くシングルマザーで高校1年生の息子を育てています。2年前、高熱を繰り返し体調を崩したため病院を受診したところ、血液のがん・白血病と診断されました。

■白血病を経験・有賀さん(42)
「ずっと立っていられなくなるようなことが起こってきて、そろそろちょっとやばいなと」

すぐに緊急入院し、その後2年間に渡り入退院を繰り返しながら抗がん剤治療を続け、現在は寛解(かんかい)に至りました。
治療中は仕事も休み、収入が減る中、貯金を切り崩して治療費を捻出していました。

■白血病を経験・有賀さん(42)
「生活費も払いつつ、医療費も払いつつ…お金の心配は常にあった。足りるかなと」

がんなどの治療で患者の経済的負担を軽減するのが高額療養費制度です。医療費が高額になった場合、一定の上限を超えた分が払い戻されます。自己支払い分となる上限額は、収入によって異なります。

■白血病を経験・有賀さん(42)
「この辺、1・2・3カ月分がすごい金額になっちゃって、すごく困って」

高額療養費制度であまり知られていないのが、同じ健康保険に加入していて、かつ同じ世帯の家族の医療費も制度の対象とする「世帯合算」という仕組みです。
例えばAさんの家庭の場合、本人が通院治療で4万円掛かり、同じ月に子どもが別の治療で3万円掛かると、合算して7万円となり、申請によって上限額の5万7000円を超えた分が払い戻されます。
「世帯合算」の申請の期限は2年で、健康保険により手続きの方法が異なるため加入先の健康保険に確認が必要です。

abnでは「がん治療とお金」をテーマにした特別番組「信州のがん最前線」を11月3日に放送します。ぜひご覧ください。