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池の平湿原周辺は一足先に夏から秋へ

東御市・湯の丸高原の池の平湿原ではマツムシソウなどの秋の花が咲き始め、季節は一足先に夏から秋へと移り変わっています。


■小林政明さん
「真夏の最高気温が23度くらいじゃないですか…天然クーラーです」

標高約2000m。
一足先に秋へと移り変わる湯の丸高原を案内してくれるのは、この高原を歩いて40年の小林政明さん(77)。

この場所は、約20万年前の噴火口に出来た湿地。現在はおよそ60種類の花が咲いています。

早速、遊歩道沿いに「ハナイカリ」を発見。まさにイカリの形をした代表的な秋の花です。

■小林政明さん
「あった、あれいいね、色もいいわ。」

こちらも秋の花の代表格、「マツムシソウ」です。マツムシが鳴く頃に咲く花ということで、「マツムシソウ」。

そして岩場に咲く「イワインチン」はこれから見頃を迎えます。

■小林政明さん
「これが『ベニヒカゲ』です。高山蝶、天然記念物になっています」

小林さんは湯の丸高原ビジターセンターのセンター長として、毎週月曜日に開花状況を自分の足で登って確認しています。

■小林政明さん
「これは毎週来た時に全部書いていきます。ですから、こんな風に…」

ノートは今年だけでなんと15冊にのぼります。植物の情報は「湯の丸高原花暦」として、毎週情報を更新しています。
そんな小林さんですが、高原の様子に変化を感じていました。

■小林政明さん
「もうだいぶ気温は上がっています…昔は(夏の最高気温が)25℃になったことはあまり無いと思います。ですから、どんどん植物が無くなっちゃってます」

「マルバダケブキ」がわずかに咲く草原となった一帯。以前、春先には「アヤメ」が群生していましたが、今、その姿は無くなりました。

■小林政明さん
「気温が高すぎる、もう一つはニホンジカの食害、少し長くなると食べてしまって…笹が増えちゃいました」

散策路を歩くと、秋の花以外にも様々な植物が出迎えてくれます。

■小林政明さん
「こちらがヒカリゴケ。こっちから見るとよく光っていますよ」

マグマからできた石「安山岩」の所に多く生えていて、日の光を受け春から秋にかけて光るそうです。

■千葉からの家族
「ほんとだ!本当に光ってる、すごい!」「すご!めっちゃきれいじゃん」

視覚だけでなく、嗅覚でも楽しめる花があります。
こちらは夏の花「イブキジャコウソウ」。葉を触ると…。

■小林政明さん
「ジャコウの匂い。良い匂いがします」

そしてこちらは「シラネニンジン」。名前の通り…。

■群馬から女性
「うん、匂います。ニンジンの匂いがします」

高原や湿原の周りにも色鮮やかな花々。

■東御市60代男性
「この辺ずっと、毎週というぐらい歩いている。花って、咲いていたり、咲いていなかったり、宝探しみたいな、そんなワクワク感がある」

湯の丸高原・池の平湿原の秋の花の見頃は10月2週目ぐらいまで。その後は紅葉広がります。