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中野市で満州開拓団の慰霊法要 平和への思い新たに

80年前の25日、旧満州で「集団自決」した開拓団員の慰霊法要が中野市で営まれました。
団員の一人で幼い兄弟を亡くした男性も参列し平和への思いを新たにしました。

■滝沢博義さん(91)
「今からちょうど80年前この開拓団で…514名が無念の集団自決をしました」

中野市東山公園にある慰霊塔の前で営まれた法要。集団自決があったとされる8月25日に合わせて行われていて、25日は関係者ら約30人が参列しました。

滝沢博義さん(91)。現在の中野市や飯山市などから開拓のために中国の旧満州に渡った「高社郷開拓団」の一員です。
8歳のときに家族と満州に渡り、まだ幼かった弟と妹を集団自決で亡くしました。

■高社郷開拓団の元一員滝沢博義さん(91)
「これ以上はまとまって逃げることは出来ない、恥ずかしい思いをするより自決しようじゃないか」

満州に入植したのは約700人。このうち500人以上が集団自決に追い込まれました。

■高社郷開拓団の元一員滝沢博義さん(91)
「当時の三八式歩兵銃で銃殺した」

今も残る元開拓団員は滝沢さんを含め3人。自らの経験を語り継ぐ活動をしているのは、滝沢さん1人です。

■高社郷開拓団の元一員滝沢博義さん(91)
「伝える人がいなくなっちゃうんじゃないか」

法要には、地元の高校生も参列しました。満州に残された日本人の引き上げに尽力した飯山市出身・故・丸山邦雄さんの親族、中野西高校3年の沖凪人さんです。

■中野西高校3年 沖凪人さん
「私にはこの歴史を遠い過去の出来事としてではなく、自分自身の責任として受け止め語り継いでいく使命があります」

戦後80年、同じ過ちを二度と繰り返さないために記憶を未来へつなげます。

■高社郷開拓団の元一員滝沢博義さん(91)
「当時の戦争というものの真実をしっかりと知ってもらいたい」