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全焼した酒蔵が復活目指し仕込んだ酒 販売

復活を目指して仕込んだ日本酒が出来上がりました。
去年12月に全焼した佐久市の古屋酒造店。仲間の力を借りながら何とか販売にこぎ着けました。

■「酒発振興!(出発進行)」

6日、佐久平駅で開かれた佐久地域・13の酒蔵の日本酒が並ぶイベント。この日を誰よりも待ちわびた人がいました。

■古屋酒造店 荻原深社長(46)
「こちらです。ここに来るまでに色んな人の力を借りて来れたので、感謝の気持ちでいっぱいですね」

130年余りの歴史がある佐久市の老舗・古屋酒造店の荻原深社長。去年12月に発生した火災で酒蔵や家屋など全て失いました。
そんな中、手を差し伸べたのが、以前から親交のあった佐久穂町の黒澤酒造です。
今年4月から黒澤酒造の蔵を借りて荻原さんは酒造りを再開。

※4月25日
■古屋酒造店 荻原深社長(46)
「ありがたいという一言ですよね。火災直後は酒造りのことは考えることができなかったので」

米を蒸し…麹を作り…それらを合わせ発酵させる。そして…ようやくこの日を迎えました。

■古屋酒造店 荻原深社長(46)
「うちの特徴である、含んだ瞬間の軽快な感じもありますし、黒澤酒造さんのお酒の特徴である、やわらかな味わいもある、両方が一緒にそろっている。おいしいとこ取りした素敵なお酒になっています」

■黒澤酒造・黒澤孝夫社長
「プレッシャーみたいなものもあったので、ほっとしたなと思っています」

約2000本が完成し、佐久市内の酒店などを中心に今月3日から販売が始まっています。
ラベルには、火災のことや助けてくれた仲間への感謝などがつづられています。

■佐久市の家族
「ん!おいしい、飲みやすいですね。これを楽しみに来ました」

■佐久市の女性
「火事の所もよく通る道。すごい切ない思いだった。私たちも購入したりして応援していきたい」

■古屋酒造店 荻原深社長(46)
「そういう言葉がなければ前に進めない。そういう言葉が背中を押してくれる。おそらくは、今年の冬もどこかで酒造りをしたいな、という希望はある。一歩ずつですけど、前には進んでいるかな」

蔵人仲間に支えられ、少しずつ歩みを進めていきます。