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長野五輪から27年…思い出のタワーが解体か?

長野五輪から27年…市民の思い出が詰まった「メモリアルタワー」が解体される可能性のあることが、abnの取材で分かりました。

■吉田一平アナウンサーリポート
「メモリアルタワーの周りには、既にコーンやバーが設置され、囲われています」

JR長野駅東口のすぐそばにある広場。
ここには、1998年の長野五輪を記念し、市民などからの寄付でまかなわれたモニュメントがあります。
聖火を運んだトーチをモチーフにしたデザインで、高さはおよそ7m…!「夢と希望のメモリアルタワー」と名付けられました。
開催から10年の節目に、元々は、駅前の別の場所に建設され…時には、保育園児が集まって聖火リレーをまねてみるなど、オリンピック開催都市のシンボルとして親しまれてきました。
その後、現在の場所に移設されましたが…

■「長野オリンピック記念タワー事業委員会」倉石栄二副委員長
「非常にもう危ない状況になっている。座ったらどうなるか分からないほど、劣化している」

■吉田アナウンサー
「あ、これ、ベンチなんですね」

他にも高い所の塗装が剥がれるなど、老朽化が目立ちます。

■「長野オリンピック記念タワー事業委員会」倉石栄二副委員長
「(Q.吉田:上に生えている草は?)中から自然に生えてきている。中は空洞ですから」
解体の理由は…

■「長野オリンピック記念タワー事業委員会」倉石栄二副委員長
「もう維持管理は大変だと。本当は維持できるのが一番良いのだけれど、残念ながら…」

「長野オリンピック記念タワー事業委員会」はメンバーが高齢化し、寄付金の資金繰りが難しくなっていました。

■「長野オリンピック記念タワー事業委員会」倉石栄二副委員長
「クラウドファンディングをするにしても(新たに)管理する母体を作るのはなかなか困難であった」

そして、2月に総会を開いた結果、委員会の解散とメモリアルタワーの解体を決定したということです。
タワーには、寄付した人や企業の名前がおよそ1800人分記念プレートとして残されています。
当面の間保存し、「思い出として欲しい」などの問い合わせには倉石さんが窓口となって対応するそうです。

ちなみに、タワーの近くにはこんな貼り紙が…

■貼り紙の内容「この広場は6月下旬から臨時駐輪場になる予定です」

長野市交通政策課によりますと、JR長野駅善光寺口にある約900台収容可能な駐輪場の改修工事に伴い、広場は今月下旬から臨時駐輪場として活用される予定です。
また市は、タワーを解体せず保全できないか模索しているということです。