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非常ブレーキも間に合わず…走行中の列車に小屋直撃

21日、長野電鉄の列車が強風で飛ばされた「小屋」と衝突し、乗客が死亡する事故が起きました。当時、現場では一体何が起きていたのでしょうか。

警察によりますと、21日午後6時前須坂市にある長野電鉄・日野駅の近くで、小屋が強風で飛ばされ、列車と衝突。

この事故で1両目に乗っていた男性3人がけがをし、このうち長野市の会社員の男性(56)が死亡しました。
こちらは、事故直後に乗客が3両目から撮影した写真です。線路脇に金属製とみられるパイプなどが散乱しています。

■記者
「近所の人などによりますと、線路沿いにあるトラクターを覆っていた小屋が強風により飛ばされたとみられ、その距離は目測でおよそ5mです」

■近所の水田管理者
「(小屋は)四角い形で、そこにトラクターを入れてあった。単管パイプで作ってあった。ホームセンターで売っているような材料」

(Qトラクターの所に屋根が設置されたのはいつ頃?)

■近所の農家
「20日くらい。15日~20日頃。建てた時から、風が吹いたら飛んじゃうなと思っていた」

事故があったとみられる車両の側面の一部は、ブルーシートで覆われていました。
すれちがった列車から撮影された写真を見ると、窓ガラスが割れているのが確認できます。
長野電鉄によりますと、時速およそ60キロで走行中、運転士が線路上にある障害物を発見。非常ブレーキをかけたものの、間に合わずぶつかったということです。

しかし、なぜ車両の前方・正面ではなく、側面が破損し乗客が死亡したのでしょうか?警察への取材では…

■(捜査関係者への取材内容)
「たしかに不自然で、全く分からない。現在、捜査中」

原因究明のため、国の運輸安全委員会は鉄道事故調査官2人を現地に派遣しました。

■運輸安全委員会・小沢隆之 鉄道事故調査官
「報告書として1年以内に報告することを目指しておりますけれども、この事故が起きた原因が何であったか、どのようにしたらこのような事故を防止することが出来るのかという視点で、調査を進めてまいりたい」

長野電鉄によりますと、21日、事故が起きる前最後に列車が現場を通過したのは午後5時35分ごろ。
つまり、小屋を飛ばすほどの強い風が吹いたのは、それから衝突時刻=午後5時50分ごろにかけてということになります。

その頃、須坂市内では横殴りの雨が降り… 雷も発生…。
当時、須坂市を含む県北部には竜巻注意情報が発表されていました。
現場に最も近い長野市では、21日午後4時41分に最大瞬間風速10.8mが観測されていました。

(Qそれが?)

「飛んじゃった」


事故現場周辺では、21日の強風の影響でビニールハウスが破損するなどの被害が出ていました。