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伝統の味を守る 季節もの「親ブナ」を配布 

「小ブナの甘露煮」が秋の郷土食として親しまれている佐久市で「親ブナ」の出荷が今年も始まりました。伝統の味を守ろうと、生産拡大を目指しています。

県水産試験場佐久支場では毎年この時期に、地元のJAを通じて親ブナを農家に出荷しています。
20日朝は佐久市内などから30軒の農家が訪れました。

■養殖業者の男性
「季節ものだから待ち望んでいる人は多い。無くなるのは寂しい。そのために続けているようなもの」

佐久地域で昔から盛んに行われてきたフナの生産。
田んぼなどに放たれた「親ブナ」に卵を産ませ、稚魚を育てます。
秋になって体長5センチほどに成長した「小ブナ」を甘露煮にして食べるのが地元の味わい方です。

■農家
「うまいですね。良い味・香り、苦味もまた、いいかもしれないね」

20日は佐久市が養殖の技術を学ぶ講習会を開きました。
地元のJAによると、今年は400キロが出荷されましたが、去年の3分の2程度に減りました。
生産農家が減り、年々水揚げ量が少なくなっています。

■JA佐久浅間さく営農センター鮒担当・上原秀光さん
「皆さんにやってもらわないと、出ないものなので、技術の継承をやってもらえればこの先も出続けるかな」

水田での養殖に助成金を設けるなど、生産拡大と技術の継承を目指しています。