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SNS型投資詐欺で8550万円被害男性が激白

SNSを通じた投資詐欺に遭い、8550万円をだまし取られた塩尻市の男性がabnの取材に応じました。巧妙な手口と悲惨な現実が、明らかに…

■被害に遭った男性
「死んだ方がいいかと、その時は思いましたね。明日の飯どうしようかっていう、今まで考えたことも無かったことが頭によぎってきた」

塩尻市の60代男性。警察によりますと、去年5月から6月までの間に、インターネットで投資関連サイトにアクセスし、その後、勧められた株を購入し、約8500万円をだまし取られました。
男性は、妻と二人暮らし。大手の会社を退職すると、老後のことを考え、株式投資でお金を増やす方法をインターネットで探しました。
すると、アメリカの大手証券会社の「日本法人の役員」を名乗る人物による勉強会のサイトを見つけ、アクセスしました。

■被害に遭った男性
「(勉強会で)これから値上がっていくだろう株の情報を知りたいと言ったんですよ。そしたらすぐその情報を教えてくれたんですよ。私も最初は疑っていて買わなかったんですけど実際に値上がったんですよ。買っていれば何十万という稼ぎになったんですね」

犯人が騙った証券会社…日本からは数年前に撤退していましたが、「日本法人の役員」を名乗る人物にSNSを通じて「個人でやっているものだ」と説得され、男性は株を購入。
すると、1カ月間利益が出続け、相手はその利益分をすぐに振り込んできたと言います。
男性によると、株の取り引きをするアプリの画面は一般的な証券会社のものと似ていたそうです。
表示される株価の値動きも現実と同じだったため、信じ込んでしまったということです。
しかし、最初の投資から約1カ月半経った頃、いつものように利益分が振り込まれなくなり、取引のため相手と共用していた口座の残高は2万円もない状態になっていたと言います。

■被害に遭った男性
「その時はもう本当に…本当に目の前が真っ白」

さらに、男性は、投資のために合わせて3800万円を小学校時代の同級生2人から借りていました。

■被害に遭った男性
「いま裁判沙汰になっているんですね、訴えられています。100万円近い弁護士費用をすでに払っている。今はもう本当に、ただ働いて何とか収入を得て、それで日々の生活を何とかやっていって、それで裁判に備えているというだけの生活ですよ。先は何も見えないです」

現在、平日も、土日祝日も、休まずアルバイトで働き続けているということです。

■被害に遭った男性
「詐欺被害が後を絶たないですよね。私みたいな惨めな思いをこれ以上してほしくないという思いが一番にありますね」