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火災で全焼した酒蔵 仲間の支援で酒造りを再開

復活を目指し、新たなスタートです。
去年12月、火災で蔵が全焼した佐久市の老舗の酒蔵が仲間の蔵元の手を借りて酒造りを再開しました。

酒造りの始まりとなる酒母仕込みの日。
自身の蔵を失った古屋酒造店荻原深社長の姿は、以前から親交があった佐久穂町の黒澤酒造にありました。

■古屋酒造店・荻原深社長
「本当に火災直後には、酒造りの事を何も考える事ができなかったので本当に感慨深い。やっぱりきょう、米を触って、水に触れてというとこで、やっぱりね、酒造りたいなっていうのは改めて感じました」

去年12月23日の未明。
創業1891年、130年余りの歴史のある古屋酒造店で火災が発生。
酒蔵や家屋などおよそ2300平方メートルを全焼しました。
11月に「ルクセンブルク酒チャレンジ2024」で、最高賞「プラチナ賞」を獲得したばかりの出来事でした。

■古屋酒造店・荻原深社長
「とても風の強い日で、一気に蔵全体に燃え広がってしまって、ただ蔵が燃えてるのを見つめてるというような感じで、悔しさというか、自分の無力感というのも非常に感じた出来事でした」

蔵の酒米はすべて消失し、一時は諦めかけた酒造り…

そんな時に手を差し伸べたのが黒澤酒造の杜氏でした。

■黒澤酒造・黒澤洋平 杜氏
「他人事では無い。普段から深社長にはお世話になっているので、何かできる事があればいくらでも協力したいという思いがある」

酒米は佐久市内の酒米を使って、市内の酒蔵が酒を造るプロジェクトのために、保管されていたものを使います。

■古屋酒造店・荻原深社長
「私自身、佐久市の米を使うのは初めてですので、酵母は今までずっとうちで使ってた酵母を使っているし、その中で、黒澤(酒造)さんで酒造りすることで、どういった化学変化というか、融合が起きていくのかなってのは、非常に楽しみな部分もあります」

6月の販売に向け本格始動です。