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アナウンサーコラム

全国から熱視線!伝統技術が光る木製高級ペン|ディレクター・越昌平

野原工芸(南木曽町)|全国から熱視線!伝統技術が光る木製高級ペン

南木曽町に木工職人が作る高級な「木のペン」があります。1本7,700円から、というペンにしては高額な値段に興味が湧き、お店を訪ねました。

阿智村から清内路峠を越えて南木曽町へ。木を伐り、食器などを作る職人が多く住んでいた「木地師の里」に、その店はあります。全国から注文が殺到する野原工芸です。元来、造材をする木挽き業が始まりで、去年100周年を迎えました。店内はリフォームされ、まるでおしゃれな美容室のようです。来店は完全予約制。ゆっくりと商品を見てほしいと、1組2時間まで商品を選ぶことが出来ます。

皆さんは、ペンを選ぶだけで2時間も必要なのか?と思うことでしょう。それが、全然足りないんです。ペンの種類は、シャープペンシルとボールペンだけですが、軸となる木の種類は定番で約30種あり、しかも同じ木でも1本1本、模様や木目が違います。

そのため、木の種類、模様と順に見ていくと選択肢は広がり、見れば見るほど決められないという状況に。それぞれ、他にはないチャームポイントがあり、愛おしくなりました。

ペンを削る工程も見せていただきました。高速に回転する木材に刃物が当たると、あっという間にペンの形になっていきます。1本約10分程度で仕上がりますが、この削る作業までがとても長い、ということを教えていただきました。

木は経年により変形するため、木を仕入れても、材料になるのは数年後。十分変形してからでないと、完成品が割れてしまったりするそうです。1本にかかる時間と手間の膨大さ。完成したペンを見て、人気の理由がわかりました。