abn 長野朝日放送

あけすけに語ると、人間ドックで生活習慣改善の必要性を指摘され、特に飲むことに関する欲望に対しては節度あるつつしみの日々を過ごしています。分かりやすく言えばメタボ。そんな時に舞い込んだ「クラフトビールを味わい尽くす」という今回の番組。喜んで引き受けました。〝黄金の酒〟を前にして断る理由がない。

ご登場いただく県内の新旧３カ所のブルワリーにはそれぞれストーリーがあります。まだ地ビールと呼ばれていた2000年代はじめ、ブームが去った頃に創業を決意した店主は当時「地ビール会社が次々とつぶれてるの知らないの？」と税務署員に嫌味を言われたとか。

そんな苦労話を笑い話として語るＴシャツ姿の彼の胸には「苦い人生」の文字。実はこれ、ネット通販でも買える店オリジナルの商品だそう。味わい深い遊び心にビールが進む。

担当ディレクターからの「トータルで７本空けましたね」という報告で摂生を忘れたことに苦い反省も胸をよぎったけれど、苦い人生も甘んじて引き受ける。それくらいうまい。