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アナウンサーコラム

松尾アトム前派出所 前略、土の上より 実りゆくまで|ディレクター・越昌平

リンゴ日本シリーズ|松尾アトム前派出所 前略、土の上より 実りゆくまで

松川町在住、リンゴを中心とした農園を営みながら、お笑いを仕事とする兼業農家芸人「松尾アトム前派出所」の一年を追ったシリーズの第3回目。これまでの放送は長野朝日放送のホームページでご覧ください。

去年9月。松尾さんの畑では収穫ラッシュが始まった。幸水、南水、ルレクチェといったナシが次々と実り、休む間もない。連日収穫に追われるが、農園の主要作物・フジの収穫に比べれば楽とのこと。秋映や千秋と言った色付きの早い品種が出荷され、やってきた11月下旬。松尾さん曰く、リンゴ農家にとって一番忙しい収穫の季節「リンゴ日本シリーズ」が開幕した。

朝から日が暮れるまでリンゴを取り箱に入れる。一杯になった箱の重さは約17kg。相当気合いを入れないと持ち上げることが出来ない。約3週間の収穫を終える頃には、自分の背丈以上に積まれた箱が倉庫を満たしていた。ざっと数えて100箱以上。

夏から右手の腱鞘炎に悩まされていた松尾さん。痛みをかばう片手の作業は、見た目以上に辛そうだった。それでも仕事中、カメラに向かっては明るく冗談を飛ばす。「自分には利き手がないから、このまま左利きになりますよ。」自分の痛みや疲れをネタにする松尾さん。苦しみを笑うことで乗り越える。そんな姿が、本当に格好いいと思った。