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アナウンサーコラム

山あいの海の幸!郷土食 鯖鮨を探る|大槻瞳

山あいの海の幸!郷土食 鯖鮨を探る|大槻瞳

皆さんは飯田市伊豆木に古くから伝わる「鯖鮨」をご存じでしょうか?毎年10月に開催される伊豆木八幡宮 秋の大祭で奉納される為の姿ずしで、家庭ではちらしずしなどにして食べるのだそうです。

集落には、その家庭用の鯖鮨をつくっている店があるということで取材させて頂きました。
まず訪れたのは、奉納する姿ずしをつくっている古川商店。お店に入るとお菓子や雑貨がずらりと並ぶ、いわば〝なんでも屋さん〟。その中に、一口大の酢サバをちりばめた鯖鮨がありました!60年近く鯖鮨づくりを続けている古川みつほさんが作った、甘い酢飯とほどよくお酢でしめられたサバ。口にすると、美味しくて思わず笑顔になってしまいました。

この町の伝統食だから守りたいと話す古川さんの目はとても力強く感じました。
続いて訪れたのは、飯田市のJA直売所に鯖鮨を卸している坂巻京子さんの工房。
坂巻さんは作り方を後世に伝えたいと2005年に工房を立ち上げ、お弁当や巻きずしを作っていらっしゃいます。こちらでは酢サバや漬物など、具材がたっぷり入った巻きずしを頂きました。

漬物の塩気や山葵の辛味が良いアクセントになり、お酒のおつまみにもぴったりな味。
これもまたすごく美味しくて、すっかり鯖鮨のファンになってしまいました

若い世代を中心に食べる人が減ってきてしまっているという、この愛すべき伝統食が皆さんによって長く守られていくことを願います。